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vol. 3 株式会社 田代製作所

【認証取得済み】
ISO9001
[2008年8月]、ISO14001[2008年8月]
〒018-3501秋田県大館市岩瀬字大柳上野28-1
<電話> 0186-47-3333 <ファックス> 0186-47-3000
<業種> 内装建具製造業
<ホームページ> http://www.tashiro-ss.co.jp/


「品質=環境」でのISO2規格の同時取得は、製品仕様・環境活動への文章提出が求められる昨今の現状において大変効果があると考えています。(品質管理部 ISO事務局長 高橋次男 様)

≪ISO取得について≫

Q.取得目的は?

A.取得前は会社独自の品質システムは形成されてはいましたが全ての面で貧弱であり、同じような原因のクレームが多々再発していたこと。現状で満足していては非常に危険であるとの判断から取得を目指しました。

Q.取得決意後、システム構築〜運用開始の間に問題は発生しましたか?

A.問題の連続だったような気がします。誰もが経験のない所からスタートしておりましたので当然と言えば当然でした。

Q.取得までの間に苦労した事は何ですか?

A.言葉の意味がわからなくて四苦八苦しました。もっと日本語らしい日本語を使えばいいのにとか、なんで英語なのとか当初は不満だらけでした。

Q.別途経費(設備投資等)負担はありましたか?

A.産業廃棄物置場の改善や掲示物の整備、その他備品等の整備でそれなりの経費はかかりました。

Q.取得までの期間で、社員の意識に、変化はありましたか?

A.何にもないところから始まった活動ですから、当初は戸惑いもあったと思います。しかし社長が先頭に立ち説明し、行動してくれたことで社員も‘我々もやらなければ’との意識になったことは確かであり重要なことでした。

Q.認証取得が決定した際、どのように全社員へ報告しましたか?

A.取得した直後は幹部社員に対し社長より認証取得の報告がされました。一般社員に対しては当社決算報告会開催時に社長より全社員に認証取得の報告がされました。

Q.認証取得を全社員へ報告した際の全社員の反応はどうでしたか?

A.今までやってきた活動が評価がされたということで全社員安堵した気持ちと会社全体で取り組んだ成果であるため素直にうれしかったと感じます。

Q.現段階で導入効果は出ていますか?

A.導入効果は出ています。品質にしろ環境にしろ各課で目標を立て取り組んでいますのでその点は評価できます。

Q.社員は前向きに取り組んでいますか?

A.全ての社員が活動に対して前向きに取り組んでくれています。その成果が品質目標・環境目標に表れています。

Q.審査の感想はいかがでしたか?

A.環境審査時はJABの審査も同時に行われており非常に緊張しました。品質の審査時も質問の意味が解らず頭の中が真っ白になったことを覚えています。

Q.取得前後で、一番変化のあった事は?

A.やはり全社員の意識が変わってきたことが大きな変化だと感じられます。例えばゴミ一つをとっても燃えるゴミ、燃えないゴミ、産廃であったり、リサイクルであったり色々な種類があるにもかかわらず今現在は完璧に近い形での分別回収が実行されておりこれも社員の環境に対しての意識の顕れだと思います。

Q.取得前後で、クレーム・不良品率に変化はありましたか?

A.取得前・取得後のクレーム件数並びに不良率を比較すると件数・不良率とも確実に下がってきておりクレームに関わる金額も減少してきております。

Q.取得後のメリットは?

A.全てが会社としてメリットになるようにISOを活用したいと考えております。

Q.取得後のデメリットは?

A.デメリットもあるのでしょうが、デメリットと考えないようにしています。会社としましても多額の運用経費を捻出してくれていますので運用経費を上回るような品質システムの構築を目指します。

Q.社内外コミュニケーションはよくなりましたか?

A.社内的には各種定例会議など頻繁に行われています。社外的には、外部監査・工場視察等の件数が増えてきました。

Q.ISOを利用した営業展開などは実施しましたか?

A.認証取得後、名刺や会社案内、会社パンフレット、工場見学資料、ホームページ等に登録マークを使用しました。

Q.PDCAは活用されていますか?

A.品質マネジメントシステムの基本とされていますが全ての面において活用出来る手法ですのであらゆる場面で使用されています。

Q.内部監査は活用されていますか?

A.認証取得後、2年が経過しますがまだ本来の内部監査にはなっていないと思います。今後は更に監査員の力量を上げ、本来の内部監査に近づけるようにしなければならないと反省しております。

Q.定期審査の効果はありますか?

A.定期審査はやはり重要だと感じています。1年に1回ですが、規定類、基準類、法令関係等の見直し改定は必要事項となりますので、審査員の方々にも指摘していただくことでより精度が上がると考えています。

Q.コンサルタントの活用メリットはありましたか?

A.コンサルタントの先生のご指導がなければ認証取得は出来なかったと思います。当社では約2年程指導を受けてきましたが、ISOについて理解を深めることができました。

Q.今後追加取得したい規格はありますか?

A.将来的には安全衛生を強化したいとの思いがありますのでOHSAS 18001の認証取得を目指します。

Q.今後の展望は?

A.認証取得したISOを社内に定着させると共に、システムの有効活用を図り品質面、並びに環境面においては同業他社様に負けないような企業体質にしていきたいと考えています。
≪ISO9001について≫

Q.品質マニュアルは重く、負担になりますか?

A.そんなに重いとは感じません。このマニュアルは鞄c代製作所の品質システムの基本とはなりますが、全てが完璧とは考えてはいませんので、悪いところは改定し、よりよいシステムの構築をはかることこそが重要だと思いますので文書自体は負担にはなりません。

Q.記録様式類は増え、負担になりますか?

A.確かに記録類は増えました。顧客から要求される場合も多くなりましたが今までが少なすぎた感もあります。

Q.クレーム要因の変化は?

A.以前は作業者のポカミスによる不具合が多かったのですが現在は技術面での不具合に変化してきています。

Q.顧客からの評判に変化は?

A.以前とは若干違ってきているように思います。以前は書式関係殆ど揃っていませんでしたが、ISO活動を進める中で書式の整備も行ってきました。まだ完全ではありませんが、お客様のご要望に応えることができつつあります。

Q.不具合等への対応速度は?

A.品質管理部も兼任していますので対応が早くなったと言いたいところですがまだまだ実力・行動とも伴っていませんのでお客様に助けられています。

Q.今後の品質面での課題は?

A.まだ改善するべきところは山ほどありますが、同じような過ちを繰り返さないことが大切だと思います。そのために、PDCAサイクルを繰り返し行いながら的確な対応をすることがお客様の信頼にも繋がってくると思いますので誤りの出難いシステムの構築及び工程改革が今後の課題だと思います。
≪OHSAS14001について≫

Q.目的・目標の取り組み状況は?

A.環境目標において、電気使用量の削減、灯油、軽油・ガソリンの使用量削減、コピー用紙の削減、産業廃棄物の削減、リサイクルの推進等目標に掲げて活動しておりますが活動主体は社員ですので、社員全員が同じ目標に向かって真剣に取り組んでいます。

Q.経費として効果はでましたか?

A.効果は確実に出ています。平成20年に小型蒸気ボイラーを新設したことで産廃費用、灯油使用量とも従来の1/3以下となっています。

Q.社員の環境への貢献認識・意識に変化はありましたか?

A.認証取得前は、環境に対しての活動はあまりやられていませんでしたが、取得後会社としての責務を果たすために環境活動に力をいれてきました。その影響も有りますが社員の環境に対する認識・意識は非常に高いと感じられます。

Q.今後の環境面での課題は?

A.仕事柄木質系の資材を大量に使用しています。従来は天然木をメインに使用していましたが資源の枯渇、熱帯雨林減少に伴うCo2排出量削減等を考慮し今後は植林木をメインにグリーン購入を推進していく所存です。

Q.今後の資源面(人・物・金)での課題は?

A.現在のISO委員並びに内部監査委員共年配者?が多いため、今後は若い人たちを育てながら組織の活性化を図ると共に新しい考え方をどんどん採用していきたいと考えています。
≪その他≫

Q.二規格取得の相乗効果はありましたか??

A.当社では、環境・品質の二規格を同時に取得しましたが、環境・品質共共通する箇所が多々ありましたのでその点は大変良かったと思います。

Q.他規格同時取得の効果はありましたか?

A.今現在、品質=環境との認識で活動しています。お客様の視点も同様だと感じられます。それは、製品仕様打ち合わせ前に環境関連の問い合わせや環境活動についての文書提出など求められる機会が増えてきております。よって当社におきましてのISO 9001及びISO 14001の同時取得は大変効果があったものと考えています。
 
ISO9001とISO14001の同時構築、同時取得が功を奏し、品質面及び環境面からの多角的な視点でのマネジメントシステムの運用がなされていますね。
  質問へのご回答にもございましたが、「まだ改善するべきところは山ほどありますが〜」についてワンポイント。内部監査実施時に、「改善すべき点は無いか」という観点でチェックし、「どのように改善すべきか」まで話しを広げると良いでしょう。品質=環境という意識での取り組みは、後々企業に大きな効果をもたらします!ぜひ継続して頑張りましょう。
ISOを活用したい企業様に役立つ貴重なお話を頂きまして誠にありがとうございました。
(潟\リューション)